アイデアを見つける。そのテクニックとは?〜「ハイブリッド発想術」を読んで

目次

「ええアイデア思いつけへんわ〜」 「なんかええアイデアないかな〜」

何かとこんなセリフを聞くことがあります。では、そもそもアイデアとは何か?

著者の倉下さん(@rashita2)はこういいます。

“アイデアとは、既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない”

P.17

自分の知っていることや自分の見たものを組み合わせて新しい何かを作る。

そのアイデアの**「種」を見つけてじっくりと「育てて」そして「収穫する」**。

本書の中ではアイデアを畑に例えられています。

さて、人はどうやってアイデアを生み出していくのか?その方法がぎっしりと詰まった「アイデアの教科書」をご紹介したいと思います!

僕が気になったのは**「アイデアの種を見つける」**部分。これはどんな仕事をしていても役に立つことだと思っています。 それは仕事の提案であっても、日々の業務の改善であっても、ひらめきからどんどんより良い方向に回っていく「スタート」だと思うからです。 また、僕はブロガーなので、ブログネタの見つけ方の参考にもなりましたよ!

ご献本頂きました!ありがとうございます!!

Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術 (デジタル仕事術)

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倉下 忠憲 技術評論社 2012-06-30

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良いアイデアだけじゃない!

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“良いアイデア"を毎回思いつくのか?というと、そうではありません。

こんなアイデアが思いつく裏には"良くないアイデア"がいくつも思い浮かんだ後でしょう。

そう、いくつも「アイデアを出すことが大事」だと本書には書いてあります。

良くないアイデアばかり思いつくから悲観するのではなく、続けることが大事、です。

ではそのアイデアはどうやって見つけるのでしょう??

メモを取る

photo credit: Chicago Man via photopin cc

ひらめきというものは突然やってきます。「あぁ、そろそろひらめくわ〜」というものはありえません。 その「いつやってくるかわからない」ひらめき、着想を残す場所が、メモだと著者は言います。

ひらめいたものを「頭の中」に残すことは可能ですが、それでは「忘れてしまう」というリスクが常につきまとわります。 覚えておこう!と思ってもその保証がないのが記憶です。…昔の傷は忘れないのにね。

「記憶より記録を残そう」というのがメモを取る理由です。

メモ取る理由はわかるけどさ、うまくいかないんだよ!習慣化しないんだよ!という人もいらっしゃいますよね。僕もそうです。 主にこんな理由ではないでしょうか。

  • 「何をどのようにメモしたらいいかわからない」
  • 「メモするときに手元にメモするものがない」
  • 「メモを取ったけれど、それが使えていない」

この本には、この3つの問題について広くカバーしてくれています。

何をメモする?

メモするものでは何でも構いません。他の人からみたらささいない思い付きや情報であっても、自分の心が動いたものは全て目もしておきましょう。

P.068

ただ、難しいのは「何でもいい」ということです。Evernoteの使い方がわからないとか、Twitterで何をつぶやいたらいいかわからないといった状況に似ているでしょうか。

これに対して著者はこのようなことを言ってくれています。

自分の心の動きがあれば、メモとして残しておく。〜(中略)〜逆に自分の関心のアンテナが反応していないものに対していちいちメモを取るのは手間がかかるだけであまり益にはなりません。

P.067

自分というフィルターを通してメモを取るというのが大事なのです。

手元にメモするものがない!

このことに対する答えは2つ、「ツールに合わせる」「状況に合わせる」です。

ツールに合わせる

つまり「メモ帳を必ず持ち歩く」ということです。ただしこれが難しいことは著者も承知の上。

人は忘れっぽい生き物なので、このアドバイスを忘れないためにいろいろな工夫が必要になります。 ~(中略)~ 習慣の力はとても強く、一度その感覚を身に付けてしまえば、後は簡単に実行できるようになります。 ~(中略)~ しかし、スタートの段階ではスムーズに行かないかもしれません。

P.076

状況に合わせる

さて、そこでもう1つ、「状況に合わせる」です。

その時に身近にあるものをメモ帳として使う方法です。 携帯電話とか、コピー用紙の裏紙とか、レシートとか…その辺にあるものを使うことです。

特定のものに頼らなくていいのですが、こんなこともあります。

それぞれのツールは人によって使いやすさが違います。メモ帳にペンで書くことは慣れていても、 デジタル端末に入力するのは億劫に感じる人もいるでしょう。その逆の人もいるはずです。 そういう億劫さは「メモを取らなくてもいいや」という気分を助長しがちです。

P.077

この2つの解決法は**「メインのメモ帳」+「状況に合わせたツール」**と提案してくれています。まさにハイブリッド。

著者の倉下さんがどんなメモ帳を使い、どんなツールを使っているか?は是非本をご覧下さい!

メモが活用できていない!

photo credit: BMeunier via photopin cc

記憶していても、それが思い出されないと意味がない。

メモを取っていても、必要なときに取り出せないと意味がありません。

そう、必要な時に取り出せる「メモシステム」を構築することが大事だと著者はいいます。

ポイントは2つ。「一元管理すること」と「見返すこと」です。

一元管理する

色んなところにしたメモを1つの場所に保存するということです。

「ここを見れば絶対ある」という状況を作り出すことですね。

著者が提案するのは「Evernote」です。

クラウドシステムのEvernoteならば携帯から、スマートフォンから、PCから、いつでもどこでも見れます。

画像、テキスト、音声、何でも記録できます。 すなわち、紙のメモもPCに取り込んでしまえばOK。

メールやPCのアプリケーション、スマホのアプリケーション等、複数の入り口があります。

Evernoteを見れば絶対にあるという状況を作り出すのをオススメしてくれています。

見返すこと

ずっと忘れた状態では意味がなく、書いた内容を思い出せてこそのメモだと言います。

極端なことを言ってしまえば、取ったメモを見返さないのは、メモを取らないこととほとんど変わりません。 見返しができていない状態では、メモが役に立っている感じがないのも当然と言えるでしょう、

P.092

き、厳しい…でも、これはその通りでしょう。

さて、そのためには??

「定期的に見返す」です。

スケジュールに組み込み、メモを見返すことをしていく。普段見返さないので、そうでもして見返すことを強制的にやっていきましょう。

最後に

僕はアイデアの種を生み出す方法を紹介しました。 これでスタート地点です。

この後はアイデアを育て、アイデアの実になったところを収穫していく作業になります。

また、この本には「エクササイズ」が書かれており、メモの具体的な取り方や発想法、Evernoteを使ったシステムの構築方法が書かれています。

この点が気になった方は是非本を手にとってみてください。

おあとがよろしいようで。

Evernoteとアナログノートによる ハイブリッド発想術 (デジタル仕事術)

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倉下 忠憲 技術評論社 2012-06-30

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