「岡山劇場」サッカーはプレーだけじゃない。周りの色んな人がいて成り立っていることがわかる一冊。

目次

サッカーと言えば、ボールを蹴り合って相手のゴールに入れる競技。 日本でもJリーグというプロリーグを頂点として、今では日本で野球と1、2を争うスポーツとなりました。

そんな華やかなスポーツであるサッカーですが、やはりJリーガーとなれるのは頂点の何%ですし、 プロリーグのJリーグでもJ1やその下のJ2、そして今ではJ3というリーグが出来ています。

その下にはJFLや地域リーグ…色々なリーグがあります。野球はここまでのリーグはさすがにないのかな?

僕はサッカーを見ると、やっぱり華麗なるパスワークだとか、強烈なシュートだとかに目がいきます。 そして濃いサッカーファンならもっと玄人な部分を見るでしょう。

でも、この本を読んで華麗なプレーや強烈なシュートだけでない、 もっとサッカーの「本質」みたいなものを見た気がします。

岡山劇場 声は届き、やがて力となる。

posted with ヨメレバ

岡山一成 サンクチュアリ出版 2014-04-24

Amazon

Kindle

楽天ブックス

岡山劇場ってなんだ

岡山一成という選手がいます。 この選手は、現在、関西一部リーグの奈良クラブに所属しています。 横浜Fマリノスに入団後、J2や韓国のリーグをたくさん渡り歩いた選手です。

詳しい経歴はWikipediaで・・・ 岡山一成 - Wikipedia

この選手が有名になったのは、2004年に川崎フロンターレ(当時J2)に移籍してからです。 この年、フロンターレはJ1に昇格して岡山選手も活躍。そして試合後に**「岡山劇場」**というサポーターの前でのマイクパフォーマンスが好評になりました。

面白いのが、この選手をYouTubeで検索するとプレーよりもパフォーマンスが多いんですよね。 それほど、サポーターの前でパフォーマンスをしてきたし、サポーターを大事にしてきた選手なのです。

フロンターレやベガルタや韓国の浦項などなど・・・。

サポーターってなんだ

選手は「サポーターのおかげです」みたいなことをよく言うけど、 この本を読んでわかったのが、サポーターから選手への一方通行はダメってこと。

ベガルタ仙台がJ1昇格へいいスタートを切ったシーズン、 途中で「7試合連続未勝利」という長いトンネルに入ってしまいました。 そこでサポーターが取った行動は「プロ=結果」という厳しいメッセージの幕。 その幕を見て岡山選手は思います。

目の前に現れた「プロ=結果」というメッセージ。ここまでの不甲斐ない結果に、サポータがいらだっていることが伝わってきた。 だけど、闘っているのは選手だけなのか? 「プロ」という言葉にしてしまうと、俺達選手だけになってしまう。 ほんまに闘ったのはプロだけか? 勝ったのも負けたのも、プロだけの結果なのか?

闘っているのはピッチにいるプレーヤー、ベンチにいるベガルタの選手だけでなく、サポーターも闘っている。 そういった思いを岡山選手は「反感を買うこと」を覚悟でブログに綴ります。

次の試合で見えた横断幕は

雑音なんて関係ねえ。共闘。

こうしてサポーターとの関係を作ってきた岡山選手は、 決して選手としては一流の成績も残せず、色んなチームに行きますが、 そのチームごとで確実に必要な選手になっていました。 プロの世界は冷酷ですから、例えサポーターといい関係を築いて選手とサポーターが一体になれたとしても、 成績が残せなかったら追われてしまう。

所属するチームがなく、正月の国立競技場で天皇杯決勝をベガルタ仙台サポーターとして応援をしていた岡山選手。 その年に韓国の浦項に所属し、1年経たない間にAFCを正月にサポーターとして応援した国立競技場で制し、 FIFAクラブワールドカップの3位決定戦ではキャプテンマークを巻いて試合に出場している。

そういうところって、サポーターともいい関係を築けたとかチームをいい方向に鼓舞できた ちょっとしたご褒美かもしれない。それでもやっぱりしっかりやってきたからなんですよね。

この選手は本当にサポーターのことというか、色んな人を信じて繋げて、その時に起こる 「大きな力」を知っている選手なんだなぁって思いました。

どうしても傍から見てると、サポーターって試合見てるときに騒ぎたいように騒いでいるイメージしかないですが、 決してそうではなくて、めっちゃ熱い人たちの集まりなんだなって思う一冊です。

ちなみに奈良クラブは、総合クラブを目指すチームです。 アルビレックス新潟と同じようなクラブを目指しているようですね。 参考:「アルビレックス新潟」はサッカーだけじゃない。複数のスポーツが織りなす総合スポーツクラブの取り組みが面白い! | TRAVELING

おあとがよろしいようで。

今回紹介した本をチェック!

岡山劇場 声は届き、やがて力となる。

posted with ヨメレバ

岡山一成 サンクチュアリ出版 2014-04-24

Amazon

Kindle

楽天ブックス