連載から41年。「あぶさん」が遂に終わりを迎えます。
代打で落合とホームラン王を争ったり、3年連続三冠王に輝いたり、当時のHR日本記録55本を越える56本のHRを打ったり、打率4割を達成したり。 現役生活ホークス一筋37年、26歳でプロ入り、引退は63歳。(コーチ・監督含めると41年)
これだけ見るとハチャメチャですが、それでも人情あふれる野球漫画「あぶさん」が41年の連載で、ついに終わります。
この「あぶさん」でホークスのことめっちゃ知れましたし、すごくかなC。
人情あふれる野球漫画
野球漫画といえば、試合を中心に展開されるイメージが強いですが、あぶさんはそうではないです。 冒頭に書いたハチャメチャな設定はありますが、人情あふれる漫画です。
ちょっと大人の人情野球漫画。
パッと思い出した1つのお話。
札幌の「円山球場」が札幌ドームのオープンによってプロ野球の試合が終了となりました(現在は数年に一度行われている様子) その円山球場最後の試合、雨の中試合が開催されて5回までなんとか試合を行いました。(5回まで試合をすると試合として成立するため) 両チームおよび審判団はこれ以上やるとケガの恐れがあるとして試合を中止しようとしますが、 あぶさんは大雨の中「普通に」守備につきます。それは、観客が円山球場最後の試合を雨の中見届けるために来てくれているのに、 「ケガが怖いから」「雨だから」という理由だけでこの試合を終わらせてしまっていいのか、というメッセージです。
このあぶさんの行動に心打たれた両チームおよび審判団は試合を再開し、 大雨の中9回まで試合をする…というお話。
心意気がこの漫画には多いです。 そして、日本の**「言わない美学」**というのもたくさんあります。 この話では、あぶさんは普通に守備についてメッセージを送ります。 無駄なことは言わず、行動1つで全てを納得させるようなメッセージ、です。
「行間を読む」ような話がたくさん出てきます。 この漫画は僕の父親が持っていて、中学生からとりあえず読んでたような野球漫画ですが、 今だからもう一度読みたい、と思える漫画ですね。
現役選手がめっちゃ出る
パ・リーグの選手はこの作品に登場して初めて一人前の選手だと認められたとも言われている。
via:あぶさん - Wikipedia
連載当初から実在の選手がずっと登場し続けています。 ID野球で有名な野村監督が現役(南海で選手権監督)のころから続いている漫画です。
ホークス一筋なのでホークスの選手は多数出演しますし、パリーグの選手を中心に他のチームの選手もたくさん登場します。 あぶさんが40を超えてから、また色んな記録を出していき、まさに「球聖」になり誰からもまつられるようになってしまい、面白さが半減したなあと思いますが、 阪急のアンダースロー山田投手やホークスの門田選手、西武の東尾投手らが現役あたり(1980年頃)の話はすごく面白かったです。
ブックオフでちょっと立ち読みしてみてください。いや、買ってください。
それぞれの選手に個性があり、本当にこんな性格じゃないの?と思ってしまいます。
選手とあぶさんのエピソードとか、やはり行間を読ませるようなエピソードで、感慨深いような話が多いです。
残念だけど
あぶさんが終わってしまうのは非常に残念ですが、僕はあぶさんでホークスを知り、好きになり、パワプロで野球をもっと知りました。
もっともっとみたいなぁと思う野球漫画。ビッグコミックオリジナル必見ですね。
おあとがよろしいようで。