元プロ野球選手・石井一久に学ぶ「色んな世界を見てみる」ということ。彼なりの野球界への貢献の仕方とは?

目次

今年引退した名選手の中に西武の石井一久という投手がいます。

石井一久 - Wikipedia

プロ野球好きならぬとも聞いたことがあるのではないかな、と思うこの選手ですが、 知っている人もいると思いますが、結構考え方が独特でいつもひょうひょうとしたピッチャーです。

40歳の今シーズンは肩の不調もあり1軍登板もほとんどなく、今年引退しました。 引退試合で、試合後にセグウェイで球場を1周する石井投手は、引退後は吉本興業に入社する予定となっています。

そんな石井投手が、スポーツ報知の引退した選手の真相に迫るコラム「決断」にて、思わず考えさせられる面白いことをコラムに書いていたので、紹介したいと思います。

1つだけ極めても面白くない

今から4、5年前に引退しようかと思っていたという石井投手。 その5年前の2008年は11勝し、まだまだ力が健在なころです。

「そういうところは物差しじゃないんです。勝っているから、とかじゃない。理由としては『精神的に疲れた』という感じでした」

と、普通の選手であれば「通用しなくなったから引退する」というところを「力が通用しないから・通用するからが引退する理由ではない」と言い切るところが既に考え方として面白いです。自分のやりたいことがあるからだと言います。

引退後に吉本興業に入社する石井投手。よくある野球選手の引退後の流れは「コーチになる」とか「解説者になる」という形がありますが、あえて一般企業に就職する理由をこう言います。

「野球だけの人生って、つまんなくないですか。もう一つ、何か人生でコンプリートしたいんですよ。野球はそこそこクリアはしたと思うんで、人生ってお金を稼げたから成功ってわけじゃない。重要なのは満足度ですよ。」

野球をいつから始めたかはわかりませんが、野球一筋で生きてきた人生。ただただNPBで野球をして引退してそのまま解説者になったら周りを知らないままになる。そんな想いがあるのでしょう。

人生ってお金を稼げたから成功ってわけじゃない。重要なのは満足度ですよ。 このセリフはぐうかっこいい。

吉本興業に入社しますが、石井投手は「会社を経営したい」とも言います。それは、サポートしてくれる人たち、裏切る人たちがいたり、そういう人生の勉強がしたいから。こんなセリフを言ったことがある野球選手は僕は聞いたことないですし、周りの人でも聞かないですよね。「裏切られたくない」そう思うのが普通ですから。

それでも野球界には発展したい

色んな経験をしたいという石井投手。「将来的に野球界に戻りたいか?」という質問にこう答えます。

「野球界ってどうしても守りに入るというか、横のつながりで人事が決まったりしますよね。そういう世界にいると、発想力って貧しくならないですか?」

ずっと野球一筋で居続けるのは、頭が凝り固まる(発想力が貧しくなる)と言います。 素晴らしいなって僕は思ったのですが、今まで野球をやってきたからそのまま野球界にいればそれなりのポジション(解説者とかコーチ)になれるけど、それじゃ自分のコンフォートゾーンにいるままになっちゃう。だから色んな世界を見たい、と。守りに入らない姿勢がすごいなって感じます。

コンフォートゾーンについてはこちらをご参照あれ。すなわち「快適な領域」です。 自分を劇的に変えたいなら「コンフォートゾーン」を変えなさい!! | No Second Life

更に石井投手はこう続けます。

「もっとアイデアを思いつきそうな人がいれば、野球界はさらに伸びる。でも自分の発言が周囲に受け止められるポジションにいなければ、何も変わらない。そのためにも、いろんなことを学ばなきゃいけないと思っています。」

野球界を発展させるには、一旦離れて色んな世界を見ることが大事だと。 昔から続く日本のプロ野球は、やはり読売新聞の某会長だとか、権力があって成り立っているところがやっぱりあります。「巨人軍がトップに立つ」っていう構図。

そのまま野球界に残って発言するのではなくて、他の世界を見て、発言力を高めて、多角的に発言したい、と。 ぐうかっこいい。

のほほんとした外見とは裏腹に

石井投手のイメージって、最初にも書きましたがひょうひょうとしてて、あまり捉えどころがない人に見えます。 それでもやっぱり色んなことを考えて野球界の発展に寄与したいのだなって想いもありますし、 ただただ野球界に居続けるのではなくて、「石井投手の人生」としても色んな世界を見たいっていう想い。 (野球界でほぼトップに登り詰めたにも関わらず!)

自分の人生は野球だけじゃない、それでも野球界の発展には力になりたい。 そんな石井投手らしいコラムでした。すごく勉強になりました!

おあとがよろしいようで。

今回紹介した石井投手の本をチェック!

メジャーの流儀

posted with ヨメレバ

石井 一久 文藝春秋 2003-01

Amazon

Kindle

楽天ブックス