心の風邪はカミングアウトしてしまおう~「うつ」とよりそう仕事術を読んで~

目次

この本をご存知でしょうか。知っている方も多いと思います。

Find the meaning of my life.を主催している@kazumotoさんが書いた本です。

「うつ」とよりそう仕事術 (Nanaブックス)

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酒井一太 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 2011-12-20

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まずは「クオリティ・オブ・ライフ」を掲げる@kazumotoさんだからこそのこのエントリを紹介させてください。

仕事術ネタ、しばらく止めます。 | Find the meaning of my life.

人生の残り時間を考えた時、「クオリティ・オブ・ライフ」という視点で全体を考えた時、枝葉のテクニックを使って遊んでいる時間はありませんし、枝葉のテクニックで人生が変わるとも、どうしても思えません。

「仕事術の本質は?」というものに、この本は答えをくれているような気がします。

頭の中が信じられなくなる


Soccer / Rameez Sadikot

@kazumotoさんは、うつ病を患うことでこんなことになると言っています。

うつ病を患うと、その頭の中がいちばん信じられない場所なのです。 信じられない場所で手順を思い浮かべても、やはり信じられません。 P.067

手順を思い浮かべてパッと出来ていたことがある日出来なくなる。今まで出来ていた仕事だって家事だって。

そんな信じられない頭に任せるのでなくて、「自分のすること」を「頭の外で」管理するGTDを行う。

そうすることで、「信用出来ない脳」を持っているうつ病の人にとっても仕事を進めていくことができると@kazumotoさんは言います。

例え「信用出来る脳」を持っていたとしても、頭の中がごちゃごちゃしているときは今やりたいことを全て行うことはできないでしょう。 そんな時は全てを書き出し、GTDのフローに則って組立て直すことで仕事を行なっていけるのではないでしょうか。

気分が沈む


Soccer WM 2006 / Uwe Hermann

仕事中、気分が沈むなんてことはないにこしたことはないですが、沈むことだってあります。それは、うつの人でなくたってそう。 そんな沈んだ時、沈んだ気分の時に仕事をしたところで、大した成果は上げられないと思うんですよね。 うつっぽいときには、「普通のこと」すら出来なくなると言います。

そんな時、かずもとさんは「うつっぽいとき」にやる仕事を割り当てていると言います。 それは、Todoリストの作成だったり、マイドキュメントの整理だったり、簡単なことなんですよね。

引用させてもらいますが、

通常と違う気分になってしまったとき、気分のままに自分をコントロールするのではなく、 タスクで自分をコントロールするほうが明らかに精神的な負荷を下げられると私は思います。 P.075

とあります。 頭の中が信じられなくなってしまった@kazumotoさんにとって、感情を安易にはコントロール出来ないでしょう。 普通の人も急に押しかかってくる不安や逃げ出したい気持ちになったことはあると思います。

**正常時から何をしたら心がニュートラルに戻ってくるのか?**というのを普段から探して、メモをしておくことで、 後ろ向きの気分の時にでも行える仕事を作っておき、心がニュートラルに戻るように仕向ける、ということです。

そして、どうしても落ち込んでしまってそのまま1日が終わったとしたら、「その日はバネを縮めたんだ、回復してドカーン!!となるんだ!」と 考えてみれば楽になるんじゃないか?と提案してくれています。

この本で感じたことは、「うつっぽくなった時でも何かできる」という、いかに不安を取り除くかといったことがたくさん書かれています。 普通の人でも仕事に不安を覚えるのですが、うつになった人は以前出来ていたこともできなくなるのです。

今、この瞬間普通の人だって、明日、うつ病になっているかもしれない。 誰がなるかわからない、このストレス社会だからこそこの本が必要なんじゃないだろうかと思うわけです。

最後に


Happy Happy! / insouciance

この本の元になったこの連載。

不定期連載『うつ病患者の仕事術』バックナンバー | Find the meaning of my life.

この連載は知っていたけど、実は自分は読まなかったんですよね。 というのも、仕事している時ではないですが、近いような状態になったことがあるから。

何もヤル気がしない、自分を責めることしかないような状態に。 その時、この本に出会っていたら絶対に為になったと思いますし、勇気になったと確信できます。

@kazumotoさんはこう書いています。

うつ病は隠すべきことでも、隠しきれる病でもありません。 むしろカミングアウトしてしまったほうが良い類の病気です。 P.096

この本が、うつ病の人とそうでない人がうまくやっていける架け橋となりますように。

 

「うつ」とよりそう仕事術 (Nanaブックス)

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酒井一太 ナナ・コーポレート・コミュニケーション 2011-12-20

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